RenderMan 26、Katanaで新しいインタラクティブデノイザーを導入
RenderManは、Katanaで利用可能なインタラクティブデノイザーを導入した。この新機能により、作業中でのレンダリング時間が大幅に短縮されるため、ユーザーは生産性とクリエイティビティの向上を同時に実現することができる。
ピクサー・アニメーション・スタジオのプロダクトマネージメントディレクターであるMark Manca氏は、独占インタビューで次のように話す。「複雑な作業工程や大量のショットを処理しなければならないプロフェッショナルの多くが、Katanaを使用しています。KatanaとRenderManを使用することで、インタラクティブデノイザーがアーティストの作業を加速させることができます。 イテレーションに多くの時間を割けるようになり、クリエイティビティも向上し、与えられた期間内により多くのショットを処理することができます」。
2023年夏にRenderMan 25で導入されたオフラインデノイザーを活用し、アーティストのエクスペリエンス向上にフォーカスしながら、ライティングやルックデベロップメントにおけるクリエイティビティをさらに引き出せるように設計された。
Disney Researchによって開発されたオフラインデノイザーは、機械学習を活用してレンダリングイメージのノイズを最小限に抑え、アニメーションとVFXのレンダリング時間を大幅に短縮しながら、非常に高品質な画像を提供する技術だ。製品版への導入前には、Pixar、Industrial Light & Magic、Walt Disney Animation Studiosの社内でテストされ、2019年の『トイ・ストーリー4』以降、すべてのPixar作品の制作において重要な役割を担ってきた。
デノイズ機能はオフライン作業では効果的だが、画像のクオリティを追求するとレンダリングに時間を要するため、インタラクティブな作業環境ではメリットが得られにくい。新しいインタラクティブデノイザーはそうしたニーズに応えるために開発された。
インタラクティブデノイザーの搭載
「RenderManの次のリリースでは、特にインタラクティブ性に焦点を当てています」とManca氏は言う。「RenderMan RIS(より迅速かつ簡単に使用できるレンダリングモード)を利用するユーザー向けに、Katanaにインタラクティブデノイザーを提供し、CPUとGPUのハイブリッドレンダラーであるRenderMan XPUの改善と機能強化も進めており、インタラクティブなキーライティングやショットライティングの実現を目指します」。
RenderMan RISのインタラクティブデノイザーの主な利点の1つは、アーティストがわずか2~3の少ないサンプル数でも視覚的に判断を行えることだ。従来は64以上、複雑なアセットでは数千ものサンプルを処理する必要があったが、新たなデノイザーによって、アーティストの作業スピードは大幅に向上し、効率的になる。
「まさに、クリエイティビティと生産性の向上を同時に実現させるツールです」とManca氏は言う。
よりクリエイティブに
ショットに対するイテレーションが多ければ、よりアーティストのクリエイティビティを引き出すことができる。そしてRenderManのインタラクティブデノイザーとKatanaのライティング/ルックデブ機能を組み合わせることで、複雑なショットを効率的に処理することが可能になる。
「Katanaが提供するスケーラビリティは、当社の顧客層にとって非常に重要です」と話すManca氏。「ますますハイクオリティな映像表現が求められるなか、Katanaは複雑な処理にも非常に優れたパフォーマンスを発揮します」。
KatanaのシニアプロダクトマネージャーであるGary Jonesは次のように述べる。「Katanaに搭載されたRenderMan 26のインタラクティブデノイザーは、実際の制作現場での有効性が証明されており、両者は強力な連携を発揮しています。今後もRenderManとの連携を続け、これらの機能を拡張していくことを期待します」。
制作現場の反応
スタジオからの反応は肯定的であり、MPCやLAIKA、ベルリンのLumaticなどからは非常に好意的なフィードバックが寄せられていると同時に、業界のプロフェッショナルたちは、このインタラクティブデノイザーについて「アーティストの生活を変えるほど」と表現するなど、業界内で高い評価を受けている。
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