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Foundry、バーチャルプロダクション向け新製品「Nuke Stage」を発表
映像や色の表現の一貫したコントロールが可能

メディア&エンターテインメント業界向けのクリエイティブソフトウェア開発をリードするFoundryは本日、バーチャルプロダクションおよびインカメラVFX(ICVFX)に特化した新しいアプリケーション「Nuke Stage」を発表しました。Nuke Stageは、プリプロダクションからファイナルピクセルまでを一貫したパイプラインでつなぎ、VFXアーティストに映像と色の表現を制作のはじめから終わりまで自在にコントロールできる環境を提供します。これにより、制作の効率化と、あらゆる規模のバーチャルプロダクションに対応するシンプルなワークフローを実現します。
Nuke Stage は、LEDウォール上でフォトリアルな環境をリアルタイムに再生できるほか、ライブコンポジットやレイアウトにも対応します。OpenUSD、OpenEXR、OpenColorIO といった業界標準フォーマットに加え、Nukeと共通のノードグラフベースの合成環境など、実績あるクリエイティブツールを活用することで、コンテンツをエンドツーエンドで安心して繰り返し調整・改善しながら、ハイクオリティな成果物を効率よく制作することが可能です。
「Nuke Stage は、バーチャルプロダクションのために特別に構想されたツールです。現場でのリアルタイム再生に対応したコンポジットの主要機能を取り入れ、プリプロダクションから撮影現場、ポストプロダクションまで、一貫したワークフローを実現するためにオープンスタンダードを活用しています。Nuke Stageによって、VFXアーティストの専門性がよりクリエイティブな意思決定に直結し、バーチャルプロダクションやICVFXを活用する現場の効率向上につながることを願っています。VFX業界やバーチャルプロダクションのコミュニティと連携しながら数年にわたって開発を進めてきたこのツールが、いよいよアーティストの手に渡るのが楽しみです。」と、Foundryのチーフプロダクトオフィサー、Christy Anzelmo は話します。
バーチャルプロダクションスタジオ 80six の ICVFX 部門責任者である Dan Hall 氏は、次のように述べています。「Nuke Stage は、これまでのバーチャルプロダクションにはなかった、VFXとバーチャルプロダクションの“橋渡し”となる存在です。VPやICVFXにおいて最も重要なのは“信頼”です。VFXチームがこのワークフローに加わることで、バーチャルプロダクションの活用はより意味のあるかたちで前進していくでしょう。Nuke Stage には、それを実現できる大きな可能性を感じています。」
Garden Studios のプロダクション・テクニカルリード、Sam Kemp 氏は次のように述べています。「VFXのコンポジットツールをリアルタイム環境に取り込むという発想にはとても惹かれます。3Dからコンポジットツールセットやカラーマネジメントを持ち込んで、さらに2Dアセットをリアルタイムで調整できるというのは、これまでのバーチャルプロダクションにはなかった、非常に重要な機能だと思います。」
FPS (Framestore Pre-Production Services) のバーチャルプロダクション・スーパーバイザーである Connor Ling 氏は、次のように話します。「VFXスーパーバイザーの多くはNukeに精通しているため、Nukeからオンセットのコンポーネントへと直接つながる統合があることで、現場とVFXベンダー間の間に、信頼と確信が生まれます。LEDウォールに映っている映像が、実際に制作された映像そのものであるという安心感につながるのです。」
共通のカラーマネジメントシステム、オープンファイルフォーマット、そして馴染みのあるノードグラフベースのコンポジット環境を通じて、Nuke Stage は、VFXアーティストがプリプロダクションから撮影現場でのリアルタイムな反復作業まで、スムーズに移行しながら、コンテンツの作成・調整・納品を行える環境を提供します。
Nuke Stage の主な特長:
- バーチャルプロダクションのための専用設計: Nuke Stage は、他のバーチャルプロダクションツール、ICVFX ツール、ゲームエンジンとの連携を必要とせず、単体で完結するスタンドアロン型ソフトウェアです。
- ハードウェア非依存設計: 専用のメディアサーバーや特注機材は不要。既存のハードウェアをそのまま活用でき、レンダーノードクラスター間の同期も容易に行えるため、さまざまな規模のステージに柔軟に対応可能です。
- フォトリアルなコンテンツのリアルタイム再生: アーティストは、業界標準のVFXツールやアセットフォーマットを使用して高解像度の背景を制作し、それをLEDウォール上で2D、2.5D、3Dの映像としてリアルタイムに再生できます。
- ライブコンポジット: リアルタイム処理に最適化された強力なノードベースのコンポジットツールキットを使用し、バーチャルセットと実際のセットを自在に操作・合成できます。
- 包括的なカラーワークフロー対応: リニアワークスペース、OpenColorIO、HDR への完全対応により、プリプロダクションからポストプロダクションまで一貫したカラーパイプラインを実現。物理的な要素とバーチャル環境を、より自然に融合させることができます。
- 馴染みのあるUI: Nukeファミリーの一員であるNuke Stageは、カラーマネジメントシステム、業界標準のファイルフォーマット対応、そしてNukeに近いノードベースのコンポジットツールキットを備えており、アーティストにとって親しみやすく効率的なワークフローを提供します。本番撮影前の準備段階はもちろん、撮影中でも柔軟に映像制作を進めることができます。
- エンドツーエンドのクリエイティブコントロール: 一貫した制作パイプラインにより、本番撮影からポストプロダクションまでコンテンツを継続的にブラッシュアップでき、クリエイティブの一貫性を保ちながら、手戻りによるコストのリスクを抑えることができます。