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小規模スタジオの Katana 導入事例

長期的な投資効果を狙った Cinemasphere


Katana は業界屈指のルックデベロップメント / ライティング ツールとして、その地位を確固たるものにしました。そしてPixar や ILM などの大手スタジオがそのパワーを活用し、より高品質な作品をよりスピーディに制作しています。とはいえ、Katana はハリウッドの大手スタジオ専用のツールではありません。インドネシアのジャカルタに拠点を置く小規模スタジオ Cinemasphere に、Katana を導入するに至った理由、またその 投資効果 について話を聞きました。

技術的なインテグレーションコストの削減

Cinemasphere で TVC 映像ディレクター兼 VFX スーパーバイザーを務める Amrin Nugraha 氏は、小規模スタジオがその強みを生かすことについて次のように話します。「大規模スタジオは豊かな資本を持っているのに対し、我々は作業の効率化や優れたチーム体制の構築、適切なツール選択等についての知識が豊富です。」

以前は資金的な制約から、Blender や Alembic 、OCIO 、OpenSubdiv などのオープンソースのソフトウェアやライブラリを使って下請け作業の大半を行っていましたが、こうしたことがコスト削減には結びつかないことに気がついたといいます。「C++ や Python で書かれたこうしたオープンソースプログラムを我々のパイプラインで活用しようとしたところ、テクニカルディレクターでない限り解決できないような重大な課題に直面してしまったのです。仕事の量や予算規模からみて、我々のような小規模スタジオが専任のテクニカルディレクターを雇うのは現実的ではありません。」

Nugraha 氏は、技術的なカスタムインテグレーションにコストを費やす必要のないツールセットを採用することで、こうした問題を解決できるのではないかと考えました。パイプライン構築のために専任のテクニカルディレクターを雇うことを考えれば、ツールの購入に必要な初期費用は十分賄えます。「Katana は非常に実用的なツールです。C++ が必要だった部分はKatanaに実装されていましたので、あとはPythonの活用だけで済ませることができました。テクニカルディレクターを雇わずに済み、大幅なコスト削減につながりました。」Cinemasphere team

人的資源の有効利用

小規模スタジオが仕事を獲得する際に直面する最大の壁は、人的資源の不足です。ILM や Pixar は厳しい納期に対応するために大勢のアーティストを雇うことができますが、Cinemasphere は 9 人しかスタッフがいません。

そうした状況においても資金投入という選択肢は往々にして存在しないため、何より重要となるのが効率性です。

Nugraha 氏は言います。「作業の効率化は不可欠です。TVC 映像ディレクター、VFX スーパーバイザーとしての 20 年の経験の中で、人的資源がこれほど限られた中で仕事をするのは初めてですが、Katana によってアーティストの待ち時間は無くなり、短時間でより多くの作業をこなすことができ、結果的に投資効果 の向上にもつながります。」                   

またその波及効果として、アーティストが他のタスクにも従事することができるようになったといいます。このことは一人のアーティストがパイプラインのさまざまな領域で複数の役割を担わなければならない小規模スタジオにおいて、きわめて重要です。「Katanaルックデベロップメント プロセスがメインパイプラインの他の作業を止めてしまうようなことはありません、3D モデリングやアニメーションのアーティストは集中して作業に取り組むことができます。」

Helicopter in 3D

ワークライフバランスの実現

Katana の導入以来、Cinemasphere では投資効果が大幅に向上し収益の拡大にも成功しましたが、Katana によってもたらされたメリットはそれだけではありません。

Nugraha 氏は、Katana が財政面でのリターンだけではなく、アーティストのワークライフバランスにも大きな影響をもたらしていると言います。「 Katana 導入以前は、金曜日の夜でも必ず誰かが残業していたのですが、今では全員が残業なしでプライベートの時間を充実させることができるようになっています。」

Sunset in 3D

 

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